個人再生の手続きでは、裁判所に非常に多くの書類を提出する必要があります。
それらの書類の中には、弁護士が用意してくれるもの、役所でもらえるもの、銀行でもらえるもの、保険会社から取得するもの、会社から取得するもの、など多岐にわたります。
一つ一つの書類について詳しく説明していきます。
目次
個人再生で集める書類(入手困難度小のもの)
今回の記事は、申し立て人(あなた)が集める書類のうち、比較的簡単に入手できる書類について説明します。
基本的には申請して手数料さえ払えば、発行してもらえる書類だったり、家にあるはずの書類になります。
区役所・市役所・役場でもらえるもの
お住いの地域の区役所・市役所・役場でもらえる書類です。
戸籍謄本
戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものになります。
申請するときに利用用途を聞かれることはなく、手数料さえ払えば発行してもらえます。
ここで気を付けなければいけないのは、記載が足りていないともう一度発行しなければならなくなるケースがあります。
戸籍謄本を取得する時には、必ず全ての項目を載せてもらうように受付の人に確認しましょう。
住民票
住民に関する個人単位の記録です。
氏名・生年月日・性別・世帯主との続柄・住所・本籍などが載っています。
こちらも申請するときに利用用途を聞かれることはなく、手数料を払えば発行してもらえます。
そして戸籍謄本と同じく、必要事項が漏れないように、全ての項目を載せてもらうように確認をしましょう。
課税証明書
課税された住民税の額を証明する書類です。
主に収入があったこと・なかったことの証明に利用されます。
課税証明書については配偶者の方のものも必要となりますので、忘れないようにもらうようにしましょう。
また、課税証明書は利用用途を聞かれる可能性があります。
僕は正直に「債務整理に利用します」と書いてしまったのですが、やはり住んでいるところの役所ということで、周りの人にばれてしまうリスクを避けるために、適切な理由を事前に考えておきましょう。
クレジットカードの申し込みとか、銀行のローンの申し込みなどと言うと、怪しまれずに受け付けてもらえます。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書は、固定資産税の課税対象となっている土地や建物について、その評価額を証明する書類です。
こちらも役所の窓口で申請すれば、手数料を支払うだけで取得することができます。
法務局でもらえるもの
お住いの地域の法務局でもらえる書類です。
通常、役所と法務局は離れた場所にあると思いますので、一日で両方とも回れるように時間に余裕を持って行動してください。
不動産登記簿謄本
不動産登記簿は土地・建物に関する所在・面積、所有者の住所・氏名、その物件の権利関係などが記載されているもので、登記簿謄本はその写しになります。
法務局に行き、手数料を支払えば、特に利用用途を聞かれることなく取得することができます。
ここで、気を付けておきたいのは、登記簿謄本の抵当権についてです。
不動産登記簿謄本には、その不動産が抵当権に入っているかどうかが記載されています。
個人再生で住宅を残したまま手続きを進めるためには、その住宅に住宅ローンに関する抵当権以外の担保が設定されていないことが条件になります。
つまり、住宅を担保に、住宅ローン以外のローンを組んだりしていると、住宅を残すための住宅ローン特則が利用できないということになります。
あらかじめ弁護士から確認が入ると思いますが、登記簿謄本をもらったら念のため確認してみましょう。
会社からもらえるもの
給与明細書
おなじみの給与明細ですね。
申し立ての2か月前の明細から必要になります。
また、同居の家族が働いている場合には、その方の給与明細も2か月前の分から必要になります。
同居の家族の方に協力してもらわないといけないので、早めに給与明細が必要であることを伝えておきましょう。
源泉徴収票
こちらもおなじみの源泉徴収票です。
過去2年分の源泉徴収票が必要になります。
また、給与明細と同じく、同居の家族が働いている場合には、その方の源泉徴収票も過去2年分必要となります。
家にあるはずのもの
保険証券
保険を契約している方であれば、契約時に保険証券が発行されていると思います。
その保険証券のコピーが必要になります。
もし紛失してしまっていたら、保険会社に連絡すれば再発行してもらうことができます。
車検証
車に乗っている方は車検証のコピーが必要です。
当然車検証を乗せずに車を運転することはないと思いますので、車に乗っている車検証をコピーして提出しましょう。
住宅ローン契約書
住宅を購入したときに、ローンを組んだ銀行との間に発行された金銭消費貸借契約書です。
もし紛失してしまっていたら、ローンを組んだ銀行に問い合わせましょう。
書類の収集はお早めに
比較的簡単に手に入る提出書類を書きました。
ここに挙げた書類については、取得に際してハードルとなるものはないと思いますので、できるだけ早く集めてしまって、他の書類の収集に時間がかけれるようにしておきましょう。