ここまで、債務整理の種類である、任意整理・個人再生・自己破産について説明してきました。
それでは、いったいどの整理方法を選べばいいのでしょうか。
一つだけ言えるのは、弁護士任せにしては絶対にいけません。
それはどうしてなのか。
精神論的なものも入ってきますが、実際に債務整理を行った立場から書いていきたいと思います。
自分で考える意味
自分で、自分に合う債務整理を考えるためには、考える材料が必要になります。
考える材料が必要ということは、ネットや本や弁護士などから情報を集めようとします。
その過程で、債務整理についての知識がしっかりとついてくるのです。
例えば、300万円する車を見に行ったとしましょう。
ディーラーが「今なら270万円で買えるキャンペーン期間中です。明日までですよ」と、耳打ちしてきたとします。
あなたは、即決でその車を買いますか?
いくら30万円引きで買うことができると言っても、ほとんどの人がいったん家に帰り、スマホやパソコンを駆使してその車のオプションや装備などをしっかりと調べ、時には他のディーラーで値段を聞いて、納得ができて初めて買うと思います。
債務整理も同じです。
債務整理については、法律が絡むことですし、理解するのは難しいです。
でも、債務整理についての知識がないと損をすることがあるのも事実なのです。
僕は弁護士と契約したタイミングでは、債務整理の知識が中途半端でした。
そして、手続き中にいろいろ調べていくうちに、自分が損をしていたという事実を知ってしまったのです。
いったん弁護士と契約して手続きが開始してしまうと、その手続き以外の方法に変えるのは大変ですし、違う弁護士にしたいと思ってもお金がかかってきます。
債務整理を弁護士に依頼するということは、270万円の車を買うことを決断することと同じです。
大切なお金をかけて依頼するからこそ、自分で考え、情報を集め、損をしない選択をするべきなのです。
任意整理ができるかどうか
まず考えるべきなのは、任意整理で債務整理すれば自分の生活が送っていけるかどうかです。
任意整理はブラックリストに載ってしまうこと以外の大きなリスクはありません。
ブラックリストに載る期間も、個人再生と自己破産に比べたら短くなります。
周りにばれる可能性も低いですし、債務整理が完了するまでの時間も短くてすみます。
では、どんな基準で任意整理を選べばいいのか。
まずは任意整理したら、月々の返済がいくらになるのかを把握します。
今ある借金の元金を36で割ってみてください。
出てきた額が、任意整理後に月々払っていく金額になります。
ちょっと返済額が多いなと思ったら60で割ってみてください。
36で割った金額が3年で返済する場合の月々返済額、60で割った金額が5年で返済する場合の月々返済額です。
これを家計に組み入れてみて、月々の返済がやっていけるかを判断します。
この計算をするには、あらかじめ借金の一覧表と家計がないと無理ですので、弁護士に相談する前に作ってください。
もし、月々の返済をやっていける現実的な家計になるのであれば、任意整理がおすすめです。
個人再生と自己破産
任意整理では、残念ながら月々返済していくのが難しい額になると、残りの選択肢は個人再生か自己破産になります。
この二択の選び方はいたって単純です。
家を持っていれば個人再生、家がなければ自己破産です。
※職業的に自己破産が難しいなら個人再生になります。
ご存知の通り、個人再生は家を残しながら債務整理をすることができます。
家を守りたいなら個人再生を選ぶしかありません。
ですが、家がなく、財産がないのであれば、迷うことなく自己破産すべきです。
言葉の響き的に、自己破産というと全てが終わってしまうかのような印象を受けますが、実際は借金を0にして人生をやり直すために認められた法的手段です。
財産が全くないのに、わざわざ個人再生を選択して、借金の5分の1を3年間払っていくのは、明らかに人生に対して損をしています。
もちろん、「自分のしたことを反省して、債権者の方に少しでも返済していきたい」という方は、個人再生を選んだらいいと思います。
でも、僕の考えは、「債務整理も損をしたらいけない」というスタンスですので、家がなければ間違いなく自己破産を選んでいます。
どんなにかっこつけても、あなたの人生は一度きりです。
一度きりの人生だから、本当に大きな債務整理という決断だからこそ、損をしないようにするべきだと思います。
債務整理の選び方まとめ
最後に、要点だけまとめます。
2.家がないなら自己破産
3.最後に選ぶのが個人再生
このような形で選んでいきましょう。
もちろん人によって状況は様々です。
持っている財産も、借金の額も違います。
いろいろ勉強して知識を集めて、弁護士の意見も聞いた上で、自分に合った債務整理を選んでください。
選ぶべき債務整理の種類が見えてきたら、相談する弁護士を探しましょう。
下の記事に、僕が考える理想的な弁護士の選び方が書いてあります。