体験談

個人再生書類、家の査定でまさかの身内バレ

個人再生の書類集めも順調に進んできて、残るは不動産の査定と、3ヶ月分の家計のみになりました。

しかし、この「家の査定」が、まさかの身内バレすることになります。

その頃の体験談です。

家の査定が妻の家族にばれる

車の査定も終わり、続いては不動産の査定、つまり家の査定のために、不動産会社について調べていました。

真っ先に思いついたのが、地元で地域密着型の活動をしている不動産屋さんです。

地域密着型の営業をしている不動産屋は、バスや電車や電柱に広告が載っているおかげで、よく目につきますよね。

僕も例に漏れず、目に付いた広告の不動産屋に出向きました。

 

部屋選びもしたことがなかったため、不動産屋のイメージが全くなかった僕は、どんな形で査定が行われるんだろうとビビりながら店に入ります。

お店はとても小さく、中には女性が一人いるだけでした。

 

女性「いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか?」

まさ「えっと、家の売却を考えていまして、売ったらどれくらいの値段がつくのかなと思って」

女性「見積もりのご依頼ですね。ただ今営業の者が全て出払っておりまして。あと数分で戻ってきますので、よろしければこちらに掛けてお待ちください」

女性はお茶を出してくれて、僕の住んでいるところについてヒアリングをしていきます。

といっても、住んでいるところは不動産屋の営業エリアなので、住所を教えたらすぐに分かってもらえました。

あまり不動産の値段などは知らない感じでしたので、その後は何も話さずに営業の方が帰ってくるのを待ちます。

 

しばらくすると、50代と思われる男性がお店に入ってきました。

男性は女性から説明を受けると、僕の正面に座り名刺を取り出しました。

「はじめまして、営業の堺と申します。お待たせしてしまって、大変申し訳ありません」

まさ「いえ、だいじょうぶです」

堺「早速ですが、お家の売却をお考えということで、だいたいいつくらいの時期をめどに御売却をお考えですか?」

まさ「実は、実家の両親の体調があまりよくなくて。まだこの先どうなるかは分からないんですが、両親が動けなくなったら実家に帰ろうと思っています。それで、今住んでいるところを売り払った場合に、ローンが返せるかとかを検討しようと思って、とりあえず査定のお願いにきました」

用意してあった嘘をつきます。

 

堺「なるほど、そうしましたら、まだご引越しの時期は未定ということですね」

まさ「はい。見積もりは出せそうですか?」

堺「そうですね、私たちも全ての不動産について価格を把握しているわけではありませんので、少々じかんをいただきたいです」

まさ「分かりました。いつくらいになりそうですか?」

堺「だいたい1週間から2週間くらいになるかと思います」

 

不動産の査定には、案外時間がかかります。

僕は、店に行ったらすぐにパソコンで調べてくれて、その場で査定書が出てくる感じを想像していました。

車の査定みたいな感じですね。

でも、現実には依頼を受けてから色々と調査をするみたいです。

 

堺「見積もりが出たら、携帯にご連絡差し上げたらよろしいですか?」

まさ「そうですね。あと、できれば査定書みたいな形で、紙に査定額を書いていただけると助かります」

堺「では、お電話する時に、査定書も一緒にお送りさせていただきますね」

そう言って堺さんは手帳にメモを書き、査定の相談は終わりました。

 

これで、査定書が1週間から2週間で届く。

あと1社必要だな。

 

不動産の査定書も、車の査定書と同じく、2社分必要でした。

裁判所は2つの見積額の平均を手続きに利用するからです。

もう1つ査定を依頼するところが必要でしたが、他に知っている不動産屋がなかったため、ネットで査定を出してくれるところに依頼しました。

こちらはかなりシンプルで、住所や氏名などをネット上で入力すると、数日後にFAXで査定書が届くようになっています。

ネット上で手続きを済まして、こちらも待つだけとなりました。

後は、3ヶ月分の家計を書くだけ。

 

書類集めも落ち着き、しっかりと仕事に専念できるようになってきたため、会社で集中してパソコンに向かっている時のことでした。

妻からのラインを着信します。

「○○不動産っていうところに査定にいった?」

なんでこんなこと聞いてくるんだろう。

 

「うちの弟に、査定の依頼をしたことバレてるよ」

心臓が飛び出るほどびっくりしました。

 

どうして?

平日の昼間だったし、誰にも見られていないはず。

 

慌てて妻に電話をして、事の真相を聞きました。

 

僕はマンションに住んでいて、少し前まで同じ階に妻の弟が住んでいました。

義弟は結婚のためマンションを売却して実家に戻ったんです。

 

どうやら、同じマンションの売却の実績があるということで、査定をお願いした○○不動産が、義弟に電話をかけたらしいのです。

同じマンションで売却の相談があって、見積額を作るためにいくらで売ったのか教えて欲しいと。

その電話の中で、僕の部屋から相談に行ったことがバレたというのが成り行きのようです。

 

そんなの、不動産屋の完全な不手際じゃないか。

苛立つ気持ちが湧いてきます。

個人情報保護を考えたら、部屋の査定の依頼してるなんて言ってはいけないはず。

たしかに、特に契約書を書いたわけでもないですし、人には話しませんと約束してもらったわけでもないので、法律的にまずいとかはないと思いますが、不動産を扱うものとして人に話さないのは当たり前じゃないかと。

 

妻「どう言い訳したらいいか分からなかったから、会社の人が近くの家を売ろうとしてて、うちのマンションの価格を知りたがっていたからって言っといたよ」

ナイスプレーです。

とっさにそういう言い訳が浮かんでくるあたりが、妻の頭の良さです。

おかげで、僕自身が義弟から追及を受けたりすることはありませんでした。

不動産の査定を出したくらいで債務整理がばれてしまうことは、よっぽどのことがない限りないと思いますが、とにかく人に知られずに進めたかった僕にとっては、インパクトのある出来事となりました。

 

2週間後には、○○不動産と、ネットで依頼した査定が出揃い、数字が出てきました。

なんと、新築購入時と比べて、300万くらいしか値段が下がっていない。

この値段で売却すれば、住宅ローンを全額返済しても大幅にプラスになってしまう額でした。

車の時と同じように、想像以上の価値が付いていることに喜びます。

 

そう、このことが未来の自分を苦しめることになるとは知らずに。




不動産の査定は周囲にバレないよう注意!

僕のようなケースは本当にレアだと思いますが、不動産の査定に出している事実がバレると、かなり私生活に影響が出ると思います。

ご近所さんに知られたら、「あそこの家、売りに出すらしいよ」と噂が広まるだろうし、子どもがいれば「引っ越ししちゃうの?」って聞かれてしまうかもしれません。

不動産屋に出入りしているだけでも怪しまれちゃうかもしれませんね。

 

そんな時は、僕が2社目に利用したような、ネット上で査定依頼できるサービスが便利です。

詳しい情報を出さなくても、住所を教えるだけで、周りの不動産の価格を参考にしながら見積もりを出してくれます。

まず間違いなく、近所の人に知られてしまったり、身内にバレてしまうことはありません。

 

また、個人再生のための不動産の査定を依頼する時に気をつけなければいけないことがあります。

体験談の中でも書いていこうと思いますが、気になる方は下記の記事を読んでみてください。

⇒参考記事:「個人再生の書類集めで損をしないためにできること

 

これで、残る書類は、過去3か月分の家計のみです。

一番手間のかかる書類で、僕も作成するのに非常に苦労しました。

 

⇒体験談を初めから読む:「債務整理の始まり「筆者の場合」