任意整理

任意整理のメリットとデメリット

このブログをご覧になっている方は、債務整理について様々なサイトやブログなどで情報を集められていると思います。

債務整理の種類やメリット・デメリットなど把握されている方がほとんどだとは思いますが、一度整理したいと思います。

債務整理の種類

債務整理の種類は大きく分けて3つあります。

・任意整理
・個人再生
・自己破産

下に書いてあるものの方が、債務整理の内容としては重くなります。

※特定調停というものもありますが、本ブログでは触れません。

 

弁護士に相談すると、どの債務整理が適切かアドバイスをもらえると思いますが、それぞれの債務整理の内容を事前に把握しておくことは非常に重要です。

なぜなら、複数の弁護士事務所に債務整理の相談に行くと、それぞれの弁護士によって言っていることが違う場合があるからです。

 

よほど状況が偏っていれば別ですが(借金の額が多すぎるのに収入がほとんどないなど)、たいていの場合は弁護士が相談者の状況をヒアリングして、その結果からどの債務整理が適切か判断します。

どの債務整理が最善なのか決まった答えはありませんので、弁護士によって言うことが違ってくることは当然です。

 

ですので、弁護士が言うことがバラバラな場合には、自分の頭で考えて、どの債務整理が自分にとって合っているのか判断しなければいけません。

ひいては、どの弁護士事務所に頼むのが自分に合っているのかという判断にもつながってきます。

 

そのため、弁護士に相談する前に債務整理の内容について理解しておくことは、とても重要なことなのです。

それでは、まずは任意整理について、その内容とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

任意整理とは

任意整理は、弁護士が一つ一つの債権者(お金を貸している会社)と直接交渉して、和解に持ち込む方法です。

「あなたから借り入れしているお金を返すことが難しいので、利息をカットして分割払いで払わせてくれませんか?」

という交渉を行います。

任意整理のメリット

任意整理最大のメリットは、一つ一つの債権者に対して交渉を行うかどうかを決めることができる、ということです。

それのどこがメリットなのかというと、一番大きいのは「車」と「家」を守ることができることです。

 

車を買う時に、ディーラーでローンを組んで購入される方は多いと思います。

このディーラーローンですが、購入した車が担保になっていますので、ローンの返済ができなくなると車を取り上げられてしまいます。

そのため、個人再生や自己破産を選択すると、基本的に車は取り上げられてしまいます。

 

その点、任意整理の場合には「ディーラーローンを組んでいる債権者を対象外として債務整理を行う」ことが可能なので、ディーラーローンは返済しつつ、車も所有したまま債務整理手続きを行うことができます。

また、住宅ローンについても同じことが言えます。

 

二つ目のメリットは、裁判所を通さずに手続きをすることができることです。

個人再生、自己破産は裁判所を介した手続きですので、手続きにかかる時間が比較的長く、官報という広報に債務整理をした事実が名前・住所とともに載ることになります。

それに比べて任意整理は裁判所を介さないので、債務整理にかかる時間が短く、周囲に債務整理をしたという事実が知られることはありません。

 

また、自己破産は職業や資格などに影響が出ますが、任意整理は職業・資格に影響がないこともメリットに挙げられると思います。

 

最後に、基本的に誰でも利用することができることもメリットとして挙げられます。

特に個人再生を選択した場合、「一定の収入がある」ということが条件の一つとなっていますが、任意整理の場合は収入のあるなしにかかわらず利用することが可能です。

専業主婦やフリーターの方なども利用することができます。

 

まとめると、任意整理のメリットは下記の通りとなります。

・車や家など財産を守りながら債務整理ができる
・債務整理にかかる時間が短い
・職業や資格などに影響を与えない
・誰でも利用することができる

以上になります。

特に財産を守りながら債務整理を行えるのは、非常に大きなメリットと言えます。

任意整理のデメリット

それでは逆に任意整理のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

まず一つ目は信用情報に事故情報が載るということです。

いわゆるブラックリストに載ってしまいます。

 

ブラックリストに載ってしまうと、ブラックリストから名前が消えるまでの5~8年程度は、新規にクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなってしまいます。

ただ、これはどの債務整理を選んだとしても同じことが言えますので、債務整理を決断した以上避けては通れないデメリットです。

 

次のデメリットは、返済金額が大幅に減額になるわけではないということです。

任意整理は「これからかかってくる金利をカットして、分割払いで返済させてください」という内容で和解する手段です。

そのため、借金の元金は返済していく必要があります。

借金の元金を返済しなければならないため、自分一人で債務整理を完結しようとするのであれば、元金を返済していけるだけの収入は最低限必要です。

もちろん、任意整理で利息をカットした後の元金に対して、親や知人からの援助により一括で返済を行うということも可能です。

僕が把握しているデメリットは以上になります。

 

任意整理のデメリットをまとめると、
・ブラックリストに載る
・元金は返済する必要がある
の2点となります。

借金の額がそれほど多くなく、ある程度の収入があり、守りたい財産がある場合には、任意整理を選びましょう。

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