街角法律相談所で初めての弁護士相談を終えた僕が、次に相談をしたのが「弁護士法人花火」でした。
HPを見てみると、弁護士法人花火は東海エリアにしか支店がないので、その他の地域の方にしてみたら馴染みがないと思います。
アディーレのように超大手というわけではないですが、東海地方ではそれなりに大きい弁護士事務所となります。
そんな弁護士法人花火に債務整理の相談に行った時の経験談を書いてみます。
東海地方にお住みでない方は、ここで読むのをやめるか、住んでる地域の中堅事務所に置き換えて読んでもらえると、雰囲気が伝わるかと思います。
※弁護士事務所名、登場人物の名前は全て仮名です。
自分で探す初めての弁護士事務所
街角法律相談所との電話相談を終えた僕は、確実に一歩を踏み出せたことで気持ちがしっかりとしていました。
変な話ですが「人に聞いてもらえた!」という事実が、自分を前向きな気持ちにさせていたのです。
このまま、弁護士との面会の約束を取り付けてしまおう。
また時間が開くと、弱気になってしまうかもしれない。
そう考えた僕は、もう一度スマホの画面を開きました。
はじめに電話相談したマイペース法律事務所と約束をしてもよかったのかもしれません。
でも、スマホで調べた結果、東京にある弁護士事務所だということを知って、考えます。
個人再生をすることになったら、地元の裁判所とやりとりする機会が多くなるはず。
そうなれば地元の強い弁護士事務所に相談する方が、後々メリットが大きいんじゃないだろうか。
そう考えて、通勤電車の広告でよく見かけていた、弁護士法人花火のHPを開いてみました。
マイペース法律事務所との相談で、少し勇気が出た僕は、その電話番号に電話をかけてみました。
受付「はい、弁護士法人花火でございます」
まさ「すみません、債務整理について相談したいと思い電話しました」
受付「かしこまりました。弁護士への相談は初めてですか?」
まさ「いえ、電話でなら他の事務所と相談したことはあります」
受付「かしこまりました。それでは担当の者に変わりますので少々お待ちください」
受付の人がそういうと、電話から保留音が流れます。
手には借金の一覧表を持ち、相変わらず空いていた会議室で電話が繋がるのを待ちます。
「お待たせしております。事務員の加藤と申します。債務整理をお考えということですが、借り入れの額などについて少しお聞かせ願えますでしょうか」
最初はお決まりのやり取りから始まります。
加藤さんは、物腰の柔らかそうな男性の声でした。
僕は電話口で、借金の一覧表を見ながら、借金の借入先と、借金の額と、月々の返済を順番に話していきました。
マイペース法律事務所と相談した時と同じように、任意整理をした場合と、個人再生をした場合の、月々の返済額を計算してもらいます。
借金の額は一緒なので、もちろん返ってきた答えも一緒でした。
車の件もいちおう加藤さんに質問してみましたが、やはり詳細は弁護士と相談してくださいとのことでした。
加藤「弁護士との面談を予約されますか?」
まさ「はい、お願いしたいです」
加藤「それでは、来週の火曜日、14時からのご都合はいかがでしょうか」
まさ「はい、分かりました。よろしくお願いします」
やはり、一度相談を経験していると、スムーズに進みます。
こうして初めての弁護士との面談の約束をして電話を切りました。
弁護士との面談
次の火曜日、午後半休を取って弁護士法人花火の事務所に向かいました。
弁護士事務所なんて一度も入ったことがないわけですが、花火の名古屋本部は名古屋駅から徒歩5分以内のところにあり、大きなビルの上の方に事務所が入っているようです。
そのビルの側までたどり着くと、ビルの入り口前で一旦立ち止まり、緊張した体を落ち着かせます。
初めての対面での相談。
しかも相手は弁護士。
いったいどんなことを言われるんだろうか。
時間が迫ってきたので、エレベーターで心の事務所が入っている階を目指しました。
エレベーターを降りると、すぐにドアが目に入りました。
その前には電話機が一つ置いてあります。
その電話機の受話器をあげ、予約していたことを告げると、ドアから女性の方が出てきました。
「こちらへどうぞ」
そう言われて通された部屋は、人が4人入れるだけの小さな部屋で、いかにも弁護士との相談をするための部屋という作りです。
女性は一旦部屋を出ると、すぐにお茶と用紙を持ってきました。
女性「こちらの用紙を記入になってお待ちください。しばらくしましたら、弁護士が伺います」
そう言い残し、また女性は部屋を出ていきます。
一人残された部屋で、渡された用紙を見てみると、借金や個人情報を記入する用紙でした。
電話相談でも伝えたけど、ここでも記入するのか。
カバンから、印刷して持ってきた借金の一覧表を取り出し、用紙に記入を始めます。
時間にして20分、用紙の半分ほどを書き終えた頃でしょうか。
ドアがノックされ、男性が二人部屋に入ってきました。
一人は新入社員のような雰囲気をまとった若い男性で、もう一人はもう少し年上な感じのする男性でした。
しかし、二人とも自分より年下だと見た目でわかります。
若い男性「はじめまして。弁護士の田原です」
年上の男性「弁護士の田村です」
二人は、一礼して名刺を渡すと、テーブルを挟んで僕の向かい側の椅子に座りました。
田原「用紙の方は書き終わりましたかね」
まさ「えっと、だいたい書き終わりました」
田原さんに用紙を渡すと、余白部分にどんどん計算式を書いていきます。
田原「そうですね、この借り入れ金額ですと、任意整理をすれば月々の返済が21万円になります。また、個人再生をするとこの金額が5分の1になりますので…月々7万円の返済まで圧縮できます。
また、車をお持ちのようですが、こちらは購入されてからどれくらいたっていますか?」
まさ「8ヶ月ほどです」
田原「まだずいぶん新しいですね。個人再生を選ぶなら車は処分されることになります」
まさ「あの、車はどうしても残したいのですが、難しいでしょうか」
田原「車を残したいとなると、任意整理で車のローンを整理対象外にするしかないですね」
田原さんは少し困った顔をして答えます。
まさ「個人再生をしても車を残せた事例をネットで読みました。車検証の所有者が債権者となっていなければ、引き上げを拒否できると書いてあって、自分も車検証の所有者はディーラーになったままです。だめでしょうか」
田村「そこまで車にこだわるのはどうしてですか?」
初めて田村さんが口を開きました。
まさ「車がなくなると、妻の両親に問い詰められて、最悪離婚になるかもしれないからです」
弱々しく僕が答えると、一瞬の間が空きます。
田村「まささんが言われていた事例は、特例です。基本的には個人再生をすると車は引き上げられます。とにかく、奥さんとよく話し合ってから、任意整理にするか個人再生にするか決めてください。他に質問はありますか?」
特にないことを告げると、そこで相談は終わりました。
先に弁護士の二人が部屋を退出し、慌てて僕も後をついていきます。
こういった相談はよく受けられるんですか?と聞いてみると、昨日も相談があったばかりですよと教えてくれました。
自分が思ってる以上に、借金で困っている人は多いのかもしれません。
「どうもありがとうございました」
エレベーターの前まで見送られ、頭を下げる弁護士二人を目にしながらエレベーターに乗り込みます。
エレベーターの扉が閉まると、どっと疲れが体からにじみ出ます。
車の件、結局ちゃんとした回答はもらえなかったな。
どうしても車を残したまま債務整理を実現しないといけない。
今考えるとかなり間違った考えですが、その時の自分は車の存在に追い詰められていました。
弁護士と相談して感じたこと
弁護士と話をしたのは、実質この時が初めてでした。
弁護士と事務員の違いにも書きましたが、弁護士のスタンスは本当にビジネスライクだなと感じます。
・必要なことには全て答える
・時間はあまりかけない
そんな意識を感じます。
ただ、この次に相談した個人事務所の弁護士の方は少し対応が違いました。
個人弁護士事務所との相談については、また違う記事で書きたいと思います。
弁護士法人花火と相談して感じたこと。
初めての弁護士との面会ということもありましたが、やはり慣れることはできないだろうなというのが素直な感想です。
こちらもビジネスライクに冷静になって向き合えば、トントン拍子にいろんなことが決まって気持ちいいのかもしれませんが、冷静になろうとしても、どうしても今後の人生について考えてしまって、もっとたくさん話を聞いて欲しいと思ってしまいます。
しっかりと話をするには30分という相談時間は短すぎるのです。
ですので、事前に作れる資料はできるだけ作っておいて、弁護士との相談は質問で時間を使えるようにした方が効率的です。
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