奨学金を借りる時は、機関保証か人的保証のどちらかを選びます。
機関保証を選んだ場合は、借りる時に保証料を払って保証機関に保証してもらいます。
人的保証を選んだ場合は、連帯保証人と保証人をつけて申し込みをしているはずです。
そして、奨学金の返済が残っている状態で債務整理を行うと、人的保証の場合は保証人に請求がいくことはこちらの記事で書いています。
しかし、少なくとも僕は、奨学金の借り入れ残高がある状態で個人再生をしても保証人に請求がいきませんでした。
目次
奨学金の借り入れ
僕が15年前に学生だった頃、機関保証の制度があったか記憶にありません。
普通に人的保証として連帯保証人・保証人をつけて奨学金を借りました。
親に連帯保証人になってもらい、親戚のおばさんに保証人になってもらっています。
借り入れたのは独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金で、無利子の貸与型奨学金でした。
JASSOによると、大学生などの奨学金貸与対象者のうち、なんと2.6人に1人が奨学金を実際に貸与しているとのことです。
この記事を読んでおられる方の中にも奨学金を受給中の方、返済中の方が多いのではないでしょうか。
奨学金の返済中に債務整理をするとどうなるか
奨学金の残高がある状態で個人再生などの債務整理を行うと、保証方法によってどうなるのかが変わってきます。
機関保証の場合
機関保証の場合は、債務は保証機関によって保証されます。
これはどういうことかというと、奨学金を返済しているあなたが万が一返済できなくなった時、あなたの代わりに保証機関がJASSOに対して一括で奨学金の返済をしてくれます。
しかし、あなたの返済義務がなくなるわけではなく、今後は保証機関に対して、奨学金の返済を続けていくことになります。
保証機関からお金を借りている状態になりますので、他の無担保の借金(カードローンやサラ金からの借り入れ)と同じ扱いになるわけですね。
ですので、機関保証で借りた奨学金を債務整理すると、
1.保証機関がJASSOに対して一括返済
2.保証機関への返済を債務整理
という流れになります。
任意整理であれば、保証機関へは元金のみの支払いで良くなりますし、個人再生であれば元金の5分の1の額を返済すればいいことになります。
人的保証の場合
人的保証を選んで、親や親戚に保証人になってもらった場合は、債務整理をすると保証人に請求がいきます。
余談になりますが、奨学金の返済は毎月返済ですので、毎月の返済ができないと保証人に連絡がいきます。
1ヶ月滞納すると連帯保証人に連絡がいきます。
3ヶ月滞納すると保証人にまで連絡がいきます。
僕はそれ以上延滞したことがないのでわかりませんが、通常の借金の保証人の役割を考えると、滞納し続けたどこかのタイミングで連帯保証人に一括請求されることになるのが通常です。
そして、奨学金を債務整理の対象とした場合、まず連帯保証人に請求がいき、連帯保証人が払えないとなると保証人に請求がいくという流れとなります。
もし連帯保証人や保証人に迷惑をかけずに債務整理を行うのであれば、任意整理で奨学金を債務整理の対象としない方法があります。
その場合、奨学金の支払いは、今後も利息を含めて続いていくことになります。
僕は個人再生を選択したので、無条件で奨学金も債務整理の対象となってしまいました。
個人再生したのに保証人に請求がいかなかった
個人再生をすることで、奨学金が債務整理の対象となってしまいましたが、不思議なことに保証人への請求が行われませんでした。
そして、奨学金未払いの分は個人再生の対象となりましたので、他の借金と同じように減額された分を60回払いで払っていくことになっています。
保証人に一括請求するかどうかは、奨学金を貸しているJASSOの判断によるので、その理由は全くわかりません。
強いてあげるなら、残債が約20万円程度ということで少額だったため、見逃してもらえたのかなというくらいです。
あとは、個人再生手続き中に支払いが止まっていた分を、親が数回払ってくれていたので、それも関係あるのかもしれません。
いずれにしても、親や親戚に迷惑をかけることなく奨学金が個人再生に組み込まれてくれたので、内心ホッとはしています。
奨学金が個人再生に組み込まれたのはレアケース
僕の場合はたまたま何かの理由で奨学金の残債が個人再生に組み込まれて、30%くらいにまで圧縮されました。
でも、これでは保証人をつけさせる意味がなくなってしまうため、おそらくかなりのレアケーです。
奨学金を債務整理しようと考えている方は、保証人に請求がいくことを前提に動いた方がいいでしょう。
債務整理の事実が保証人にバレるかどうかという点で言えば、保証人にバレるか弁護士からの受任通知が届くので確実にばれますしね。